2021年9月24日 (金)

乃至政彦・高橋陽介『天下分け目の関ヶ原合戦はなかった』2021.9(河出書房新社)

最近は、その時々の私的ブームに従って一気にまとめて本を読み、そういうことがないときはダラダラと流し読みをする感じです。最新のニュースや解説はネットで十分追いかけられるので、新聞や書物などの活字ものは個人的に分が悪いところです。

そんな中でも面白い本があったりするので、備忘録的にメモを残しておきます。

本書『天下分け目の関ケ原合戦はなかった』は、当時の一次資料(日記や手紙、公式文書)に基づく、最新の考察と論考になります。NHK大河ドラマ『真田丸』とか観ているとだいぶ時代考証が進んでいるなと感じましたが、明智憲三郎氏による『本能寺の変、431年目の真実』シリーズもそうですが、ここ数年、これまでの通説が大きく見直されていることがうかがえます。

改めて、私たちの戦国(と幕末も)のイメージって、ほぼ司馬遼太郎氏の作品群とそこからの派生だったと思うのですね。直江状が格好良く取り上げられたり、石田三成は義侠の首謀者とされたり、はたまた小早川秀秋は「問鉄砲」に動揺して西軍を裏切ったとか、大谷義継は病をおして戦場にいたとか、果たして本当でしょうか。そもそも天下分け目の合戦ではなかったとしたら、局地的な関ヶ原の戦いよりも、毛利輝元の大阪城入りにもっと注目されてしかるできでしょう。

歴史的事件の100年以上あとの軍記物や伝承を元に、さらに想像力たくましく脚色されて、司馬氏の歴史小説『関ヶ原』とかがあったりしています。しかしながら、なんだかそれが史実となり歴史的常識のように扱われて、広く流布されているのです。

で、話は飛躍して、これって、自閉症理解や支援現場の実践にも当てはまると私は思っています。

つまり、二次的資料や伝聞情報あるいは仮説として語られてきたことが、世間的には「そういうものだ」「さもありなん」と捉えられ、それがまた専門家や研究者らの業界で受け入れられ、○○療法とか行政施策が固まっていくという構図です。ボタンの掛け違い、言説の一人歩きというものでしょうか。

TEACCHの創始者、E.ショプラー先生は、そういう世俗的アカデミックと世間の風潮に、科学的な視点と良識から敢然と立ち向かった人として、もっと記録されてよいように思います。

一次資料にあたるという基本姿勢。支援現場で言えば、目の前にいる自閉症の人や家族、それから現場の支援者らに直接あたって、何が有効か、何が求められているのかを確認し、自分なりに考え、実践し実証していく姿勢でしょう。無前提に、自閉症の人には○○療法がいいんですよとか言われたら、ちょっとやばいな、と思うことにしています。

NY(中山清司)(支援者)

2021年9月20日 (月)

当事者と支援者のリレートーク①「はじめに」

これから、谷町オフィスでお付き合いをしてきた自閉症スペクトラム当事者のお二人と、このブログの中で交互に意見交換や情報交換をしていきます(文通みたいな感じ)。

私が長く相談支援でかかわってきた方たちですが、ときには職場の上司と部下の関係だったりもするので、なかなか複雑です。

私がオフィスぼんでしてきた相談支援は私的契約のスタイルなので、公的な福祉制度に則る相談支援サービスとはかなり違います。それは、いい意味で臨機応変・即時即応の対応がとれたりするのですが、一方で、いい加減で無責任だと叱られることもあったりします。

今回のリレートークはその延長にあります。「自分たちの経験や思いを整理して広く伝えたい」という当事者からの提案に対して、「じゃあ、私とのリレートークにして、ブログに書いていこうよ」と逆提案して、実現することになりました。

これからのトークは以下のようなものになるかと期待しています。

①自閉症スペクトラム当事者の方々から、自己のことと今の暮らしぶりを語る

②これまでの生い立ちを振り返ってもらい、その背景や今後の対処法を一緒に考え、私なりに補足説明してみる

③自閉症スペクトラムの人の捉え方や感じ方と一般の人との違いを、双方向のやり取りを通して深めていく

お互いに肩の力を抜いて、率直なリレートークになればと思っています。

中山清司

2021年9月11日 (土)

谷町オフィスってどんなところ?

合同会社オフィスぼんと自閉症eサービス全国ネットの事務局を担っている「谷町オフィス」は、さらに、NPO法人自閉症eスタイルジャパンの法人本部であり、大阪市内で西陣ビールが飲めるeショップ&カフェ谷町と学習支援のeラーン谷町の活動もしています。

大阪メトロ「谷町六丁目駅」から徒歩2分のところにありますが、初めて来られる方はちょっと迷われたり、シャッターが降りていて見過ごされてしまっているかもしれません。

以前は天才塾bon谷町教室の場所だったのですが、さまざまに事業が展開していく中で、今の姿になりました。これからも「谷町オフィス」の機能は変わっていくかもしれませんが、私たちの自閉症支援の中核であり続けることは間違いありません。

今回、ブログを新たにして、「谷町オフィス」を舞台に、自閉症スペクトラムの当事者の方々やご家族、支援者・関係者の皆さんのやり取りを記事にしていきます。「谷町オフィス」ってどんなところで、日々どんなことをしているのかをお伝えできればと思うところです。

それから、一人の支援者として、私自身の心境や構想なんかも書き記しておきたいと思っています。

中山清司(オフィスぼん・自閉症eサービス全国ネット代表)

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